大学の情報保障制度の概要は、後日に更新予定。
テイカー3名(H・Iさん、A・Vさん、A・Tさん)と受けている聴覚障害学生(Y・Sさん)にインタビュー
を行いました。
Q大学に入学する前から情報保障制度があることを知っていましたか?
H・Tさん「全く知りませんでした。」
A・Vさん「制度としてあるのは知らなく、大学独自のものと思っていました。」
A・Tさん「知りませんでした。」
Qテイクを始めた理由は何ですか?
H・Tさん「何かボランティアをしようと思っていたときに募集を見て、”書く”ことなら自分にも出来るのでは
ないかと思ったから。」
A・Vさん「昔、本でテイクを知り、憧れていたこと。また友人がこのテイクに誘ってくれたことが理由です。」
A・Tさん「友人がノートテイクを利用していたから。テイカーの人数が足りていないということも聞いてやろう
と思った。」
Q実際にテイカーをやってみていかがですか?
H・Tさん「予想していたよりも大変であると感じたが、慣れるに従いどのようにテイクをすればいいのか考え
るようになった。ノートテイクを始めて1年半以上になるが、未だに不安に思うこともある。
『本当にきちんと伝わっているのか』ということを時々、考える。ノートテイクはいわば通訳のような
ものだが、先生の言っている内容をうまく要約出来ているだろうか、ニュアンスは大丈夫であろうか
伝わるだろうか。と心配になる。しかし、これは自分の成長でもある。伝える相手のことを考えられる
ようになったことは大きなことだ。私は4年生であるので、もう残り時間はあまりない。
その少ない時間の中でテイカーとしてできることをしっかりやっていこうと思う。」
A・Vさん「パソコンで普段打つよりもずっと難しいですが、とてもやりがいがあります。もっと早く打てたら、授業
内容を上手に伝えられるのに・・・と歯がゆくも思います」
A・Tさん「文が書き切れなかったり、汚くなってしまったり、テンパってしまって大変ですが、
とてもやりがいがあります。また講義の問題点が見えるようになりました。」
Q情報保障に対して思うことはありますか?
H・Tさん 「ノートテイカー、それを利用する学生、教員、3者の相互理解・連携が必要である。
ノートテイカーの技術には限度がある。そこで、教員の配慮などがあればより上手く行くことだろう。
そして利用学生も自分の欲していることや意見を言うことで、テイカーも教員もより
分かりやすいテイク、分かりやすい授業が出来るようになると思う。そのためにも情報保障
という考えかを広めなければならない。私は、情報保障という言葉をノートテイクをはじめて
から知った。考え方を広めることは環境改善に必ず結びつくはずである。」
A・Vさん 「学生同士の助け合いの状態ですが、ここからもっと広く様々なことに対して情報保障が
行われたらと思います。ビデオの字幕など私たちでも出来ることをしっかりやっていきたい
と思います。」
A・Tさん 「しっかり保障を行うために、先生にも協力をして欲しいと思います。正確でわかりやすい
情報を伝えられたら良いなあと感じています。」
聴覚障害学生(S・Yさん)に聞きました。
Q大学に入学する前から情報保障制度があることを知っていましたか?
「全く知らなかった。大学に入ってから、大学の学生支援課で説明され、そこで初めて情報保障制度がある
ことを知った。」
Qテイクを受けてみてどうでしたか?
「本来ならば、ノートテイク研修である程度のスキルを身に付けてから、ノートテイカーとして付くのだか、私が入学した当時は研修する期間もなかったので、そのままテイカーが付いた。だから、字が小さくて見えないし、同じ文章が重なっていたり、教師の言っていることを聞き逃したり・・・と様々な問題があった。またテイカーがつくことで自力で情報を得るよりは情報をたくさん取れるようにはなったが、パワーポイントやビデオを視聴する場合は、テイカーがいてもあまり変わらない。テイカーだけではなく、教師の話すスピードの速さ、専門用語の多さも問題だと思った。こういったさまざまな問題はあるが、テイクを受けることは、わたしにとってとても重要である。」
Q今の課題に対してどう思いますか?
「上記にもあるようにさまざまな問題があるが、ビデオの場合だったらパソコンテイカーを付けてもらう、あるいは字幕のあるビデオを選んでもらう。パワーポイントの場合は、あらかじめその資料をもらっておく。テイクの仕方については、随時研修を行う。
その際、私の大学は”自給自足”大学と言われ、他の大学とあまり連携を取ろうとしない。だから、連携の必要性をうまく説明して、他大学と連携して、いお色名情報保障のやり方を学んでもらう。
教師の情報保障、聴覚障害に対しての理解を得る、ことが今の課題であり、その課題が今後譲歩保障を充実させるためのきっかけとなると思う。」