聴覚障害学生  4名(ノートテイク利用者3名)
支援学生数  71(パソコンノートテイクも可能16名)

  城北(教育・理・工・法文)・樽味(農)・重信(医)の3つのキャンパスがある愛媛大学では、バリアフリー推進室の職員2名がノートテイカーの募集・配置・調整をしている。ノートテイクでは一人の利用者に二人つくことを原則としているが、一方を経験者にするなど、配置にはよりよいテイクの提供を心がけている。
 ノートテイカーの養成方法は、バリアフリー推進室が開講している講座を受講する方法と大学の共通教育の授業でノートテイクの技術を磨く方法がある。

 また、スチューデント・キャンパス・ボランティア(SCV)の中にある障がい学生支援ボランティア(CBP)が情報保障を主な活動として活動している。半期に1回、ノートテイク利用者とノートテイカーが食事をしながら交流を深めていく「ノートテイク交流会」を開催している。


☆ろう学生にインタビュー

Q1.情報保障がつくようになったきっかけは?

○外国人講師によるグループワークの授業やゼミ形式の集団討論など、聞こえない人には困難な授業があったため

▲すでに入学前から情報保障があると知っていたため(大学では聞くだけの授業が多いと聞いていた)

Q2.情報保障制度を実際に利用してみてどう感じたか?

○上記の授業は手書きのノートテイクでついていくのは無理だった。他人の話に入れず面白くなかったときもあった。

▲授業はもちろん、授業中先生が冗談を言っているとき、他の学生とほぼ同時に笑うこともできるので、ノートテイクはなくてはならないものになった。しかし、一部の授業では、ノートテイク(聴覚障害)の理解がない先生もいらっしゃるため、授業についていけなくて困っているときがたくさんある。

Q3.大学に入学する前から情報保障制度があることを知っていたか?

○はい、知っていました。

▲高校2年生のとき、オープンキャンパスで手話通訳を依頼して大学の概論について説明を受けた。そのときに手話通訳をしてくださった学生からノートテイク活動について教えてもらった。

☆ノートテイカーにインタビュー

Q1.ノートテイクを始めたきっかけは何ですか?

☆マンガを読んで、ノートテイクに少し興味を持っていた。そんなときに実際ノートテイカーを募集していたので、「私でも何か人の役に立てるなら」と思い始めたから。

■入学式などでのガイダンスで紹介されており、興味を持ったから。

◎入学式でパソコンノートテイクや手話をする人たちを見て、「かっこいい」と思った。これまでに手話などの支援活動を目にしたことがなかったから、心を動かされた。

★利用者に「テイカーをしてみない」と誘われたから。

Q2.実際にノートテイクをやってみていかがですか?

☆思っていた以上に大変。どんなにがんばっても書き損じがとても多くなってしまう。

■技術でカバーできる面とカバーできない面の狭間で悩むことも多かった。ノートテイク活動には、利用者だけでなく支援者も含めた充分な支援の必要性を強く感じた。

◎書いているときは大きな快感が得られる利用者の表情を伺うことが多いので、反省することも多い。しかし、ノートテイク活動を続けられるのは単純に楽しさとやりがいがあるから。

★とても大変。始めたころは手を止めてはいけないと分かっていながら書けない自分に悲しくなった。情報保障がきちんとできている自信がなく、利用者に申し訳なく思っている。

Q3.これからノートテイク活動をしていく上でやってみたいこと(目標)はありますか?

☆今よりもっといっぱい書けるようになりたい。後、手話も勉強してみたい。

■ノートテイク活動で得た技術を基にして、さまざまな人たちとより深くコミュニケーションをとっていきたいと考えている。

◎ノートテイクという活動を世の中の皆さんに知ってもらうことや、卒業後も地域でノートテイク活動を続けていくこと。

★手を動かしながらある程度の文章を聞き溜めできるようになりたい。また、手話通訳ができるくらいに手話の技術を高めたい。


※問い合わせ※

 愛媛大学 教育学生支援部バリアフリー推進室