聴覚障害学生 20 (テイクサービス利用者…17)
     援学生 30

 本学には「人権と文化の多様性に関する委員会」(The Committee for Human Rights and Cultural Diversity:以下CHC)を設けており、マイノリティに関する活動を行っている。
また、障害学生支援制度の窓口となる
CHCセンターがある。障害学生支援制度にてノートテイク・サービスや身体にしょうがいを持つ学生に対してアテンダント・サービスを行っている。
 ノートテイク・サービス制度は1年間の試行制度の後、1999年より本制度が開始された。また、2005年度に授業への手話通訳試行的制導入し、2006年度より本格的に実地されている。
 ノートテイク・サービスは、登録制の有償ボランティアであり、利用者もテイカーも登録している。テイクの方法としては手書きテイク、パソコンテイク、IPトーク(パソコン要約筆記ソフトIPtalkを利用して2人〜3人で打ち込んでいくテイク)を利用している。テイクに必要なペン・紙・パソコンはCHCセンターより貸出、配布している。

ノートテイク・サービス利用者にインタビューをしてみました。


Q1.情報保障があることをどうやって知りましたか?

Aさん:私の知り合いの先輩から本学にノートテイク・サービスがあり、みんなと同じように講義を受けられることを知り、高校1年の時から本学に入ることを決めていました。

Bさん:聾学校の高等部にいた時、進路の先生の紹介で知りました。

 
Q2.普段の様子を教えてください。

Aさん:テイクがあるときは、授業の内容を書いていただいています。みんなと同じ授業を受けられるので内容も大体わかります。しかし、テイクがついていないときは、身近にいる友人にノートを見せてもらったり、大事なところを教えてもらったりしています。

Bさん:Aさんと同様です。テイクがあっても、他の学生と一緒に挙手や笑うことは難しいですね。テイカーの中には、臨機応変で手話を使ってくれるテイカーもさんいます。また、学年学科を超えて仲良くなったテイカーさんや、CHCセンターのコーディネーターの方と個人的に集まって、遊んだり食べに行ったりしています。テイカーの中でタイピングがとても速い先輩がいて、未だにその記録を超える者がいないそうです。

Q3.情報保障(ノートテイク・サービス)を実際に利用してどう感じましたか?

Aさん:テイカーさんが耳の代わりにしていただいているので、すごく助かります。またこれからもみんなと同じように授業を受けられるようにノートテイク・サービスを続ける事は、聴覚障がい者にとってかけがえのない存在だし、必要だなと思いました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

Bさん:制度とサービスがあり、ある程度の講義保障はあります。しかしテイカー不足や小委員会のメンバー不足など様々な問題を抱えていますが、テイクがある事に本当に助かっています。テイクがないと、講義に出席しても意欲がなくなります。やはりテイクがあって初めて講義の楽しさがわかったりします。また、テイカーの何人かが利用者の友人であることが多く、友人関係をきっかけにテイカーになってくれているというありがたさもあります。

Q4.理想の情報保障は何ですか?

Aさん:現在、テイカーさんも少なくなり、テイクを希望する全ての講義にテイクが入ることが難しい状態なので、少しずつテイカーさんが増えてくれたらいいなと思っています。

Bさん:利用者とテイカーの両者が意見を出し合い、それを反映してお互いが快適な環境をつくりたいですね。

次にノートテイカーもインタビューをしてみました。

Q1.ノートテイクを始めた理由は何ですか?

大学に入る前からノートテイクに興味があったから。また、自分の空き時間を有効に活用できると思ったから。

Q2.実際にノートテイクをやってみてどうでしたか?

Aさん:1年目は手書きだったので、とても手が疲れた。字があまりきれいでなかったので読むのが大変だったと思う。絵を描いたり、プリントに書き込むときは、手書きがいいと思う。 2年目からはパソコンテイクをしているので、あまり疲れなくなった。学年、学科の枠を超えて授業に入れるので自分の勉強にもなった。

 Bさん:テイカーをやっていて、手話を勉強する強い動機ができた。ノートテイクを通していろんな人との出会いがあるので、やってよかったと思うし、卒業まで続けたい。