遠隔情報保障システムとは?

「モバイル型遠隔情報保障システム」とは、聴覚障がいをお持ちの方が学校の講義などを受ける際に、2名の通訳者が連携しながら話者の言葉を要約してパソコン画面に字幕化する「パソコン要約筆記」を、携帯電話を使って遠隔で行うシステムです。現在、小学、中学校、高校でも普及している場が増加しているなど、成果を挙げている新しい情報保障ですが、メリットとデメリットは何なのか考えてみました。

《メリット》

移動中でもテイカーを気にすることなく、内容を理解することができる。

 パソコン準備の負担が楽になる。

友達の隣に座って受けることが出来る。

周りの雑音が気にすることなく集中できる。

《デメリット》

板書や指示語(『これ』、『そこ』など)の把握が出来ない。

レジュメを指したり、補助の筆記をすることが出来ない。

 数秒のタイムラグで授業の進行についていけない。

このように他にもあると思うが、ノートテイク・PCテイクのほかにこういった新しいシステムがあると助かりますね・・・。

問題は予算をどうするかと考えますが、システムに使われているiPhoneでは、ソフトバングが音声通話やパケット通信の定額制サービスをご利用いただくことで、このシステムで用いる携帯電話の利用料金を割安に抑えることもでき、どなたでも継続して利用できる仕組みをしているんです!!

このシステムを研究(導入)しているのは筑波技術大学、群馬大学、東京大学である。
詳しくはURLを参考にして下さい。
http://www.tsukuba-tech.ac.jp/ce/mobile1/manual.pdf

遠隔情報保障システムとは?

 このシンポジウムは、ペプネットJapanが主催し、全国から一つの場所に集まり、情報保障について意見交換をする企画です。今年度は、宮城県仙台市で行われました。6名の支部役員が参加しました。参加した2名の感想を掲載していますので見てください。
皆さんも来年、参加して情報保障に付いての意見交換をしてみませんか?新しいことを知る良い機会です♪


  新留 和恵 九州支部支部長 

Qペプネットジャパンに参加した感想

 九州支部長の新留和恵です。私はFKCfriendsとしてペプネットジャパンに参加しました。この団体は、F(福岡大学)、K(福岡教育大学)、C(筑紫女学園大学)の3大学の聴覚障がい学生と
情報保障のサポートしてくれている健常学生で集った団体です。

1)ペプネットジャパンに参加しようと思った理由

今年からFKCの活動が本格的になってきたことから、九州でも私たちのような団体が情報保障の活動をしているよとアピールするためにも参加してみようという流れになったことがきっかけです。

2)どこの分科会を受けたのか?

分科会3の「一緒にスキルアップ!‐ノートテイク・パソコンテイク・手話通訳‐」に参加しました。
分科会の内容については、ノートテイク・パソコンテイク・手話通訳からノートテイクを希望しました。

進め方はパソコンから流れるDVDを聞きながら、ノートテイクでテイクをしていきました。私はその間、ノートテイクをしている人たちのテイクを見ながら、どのようなテイクをしているか見ていきました。テイクが終わったらお互いのテイクを見せ合い、意見を言い合ったりなどしました。このときに感じたのは、テイクの技術、書くスピードや要約力など、私が普段していただいているテイカーさんとはどこか違うように感じたので、一瞬戸惑いがありました。きっと普段のテイクに慣れている部分があったんだと思います。でも進め方はすごく参考になったので、持ち帰って自分たちも実践していきたいと思います。

3)参加して学んだこと

ペプネットジャパンに参加するのは初めてで、どのように発表してよいのかイメージができなくて不安でしたが、参加したことで私の中でまた1つ世界が広がりました。他の大学の発表を見ていく中で、FKCの3大学で共通課題となっているものをここで参考にできたことが1番嬉しかったです。九州は情報保障の進んでいる大学がまだまだ少ないのですが、自分たちの大学も含めてより良い情報保障を進めていけるように頑張っていきたいと思います。


 飛彈 圭佑 近畿支部事務担当

「日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに参加して」          

私の大学では情報保障はあるものの、独自の取り組みと言うものがありませんでした。なにかヒントを得ることが出来ればという思いで聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに参加してきました。午前中は分科会の一つの「教職員や支援学生の方達のグループとのディスカッション」に参加し、情報保障における問題について、教職員、支援学生、聴障生のグループに分かれ、ディスカッションをしました。その時に、私は九州から来られた学生さんに出会いました。その方は、自分の学びたい分野の為にあえて情報保障がない大学に進学し、情報保障をつけるために色々と活動をされているとお聞きしました。その方からたくさん刺激を頂きました。

 昼からは「聴覚障害学生支援コンテスト」という各大学の情報保障の取り組みのPRのコンテストがありました。そのコンテストでは、群馬大学はゼミの中での効果的な情報保障ツールについて発表していたり、工学部が主力の大学では、新たな情報保障ツールを開発していたりと、実に様々な情報保障ツールがあることを知りました。

シンポジウムを通して、各大学の情報保障の取り組みの多様さに驚かされました。それだけではなく、聴障生の情報保障獲得の為の活動状況をお聞きして刺激を受けました。

このシンポジウムで学んだことをもとに、教育大学ならではの独自の取り組みを築くための土台作りに取り掛かって行きたいと思います。